在宅で介護をしていたご家族が、急に入院することになる。慌ただしさのなかで「何を持っていけばいいのか」と手が止まってしまう方は少なくありません。
実は、入院に必要なものの多くは病院で用意してもらえます。有料にはなりますが、衣類やタオル、食事に使う道具まで借りられる病院は珍しくありません。
つまり自分で買い揃えるべきものは、思っているよりずっと少ないのです。慌てて買いに走る前に、何が借りられるのかを確認するほうが早く、費用も抑えられます。
- 何が必要か分からない状態
- 買いすぎによる無駄な出費
- 夜間や休日の調達先
- 病室に置ききれない荷物

入院が決まったんですが、何を持っていけばいいでしょうか。

まずは、病院で借りられるものを確認してみましょう。
この記事では、入院準備を「今すぐ買うもの」「100円ショップで揃えるもの」「病院で借りるもの」の3つに分けて整理しました。読み終えるころには、買い物リストがぐっと短くなっているはずです。
入院準備は3つに分けて考える

入院準備でつまずく理由は、必要なものが多いからではありません。
「いつまでに」「どこで」手に入れるかが整理できていないことが原因です。急ぎのものと、あとでいいものを分けるだけで、準備はぐっと楽になります。まずはこの3分類から始めてください。
今すぐ必要なものはコンビニで
緊急入院や夜間の入院なら、迷わずコンビニを使ってください。
その日を乗り切るために本当に必要なものは、そう多くありません。下着、タオル、歯ブラシ、飲み物。これだけあれば一晩は過ごせます。
病院内に売店がある場合は、そちらのほうが確実です。入院中に必要になるものを想定して品揃えされているため、探す手間が省けます。
余裕があれば100均でまとめて
翌日以降に持っていくものは、100円ショップでまとめて揃えると効率的です。
入院に必要な小物は、ほとんどが日用品です。専用品を買い揃える必要はなく、身近な店で十分に間に合います。
しかも一か所で揃うため、何軒も回らずに済みます。時間と気力を使わずに準備を終えられる点が、慌ただしい時期には大きな利点になります。
病院で借りられるものは買わない
そして最も大切なのが、買う前に借りられるものを確認することです。
多くの病院では、衣類やタオル、食事の道具などを有料で用意しています。申し込めば毎日交換してもらえるため、洗濯物を持ち帰る手間もなくなります。
入院の手続きのときに案内があるはずです。案内が見当たらなければ、看護師に直接聞いてください。買ってしまってから知る、というのが最ももったいないパターンです。
病院で借りられるもの

ここからは、病院で用意してもらえることが多いものを具体的に挙げます。
いずれも有料ですが、買って持ち込むより手間が少なく、結果的に負担が軽くなることがほとんどです。取り扱いは病院によって違うため、実際の範囲は入院先で確認してください。
衣類とタオル類
まず確認したいのが、衣類とタオルです。
患者衣、タオル、バスタオルは、レンタルの対象になっていることが多い品目です。汚れたら交換してもらえるため、洗濯のために病院へ通う必要がなくなります。
在宅で介護をしてきた方ほど、この効果は大きく感じられるはずです。入院中だけでも洗濯から解放されるというのは、思っている以上に助かります。
食事と口腔ケアの道具
食事まわりの道具も、病院で用意されることが多い品目です。
- コップ
- スプーンやフォークなどのカトラリー
- 吸い飲み
- 使い捨てエプロン
- 口腔ケア用のスポンジブラシ
これらは介護用品店で買うと意外に高くつきます。入院期間が読めないうちは、借りたほうが無駄になりません。
オムツなどの衛生用品
オムツも、病院で用意してもらえる場合があります。
サイズが合わなかったり、量が足りなくなったりする心配がないため、家族が買い足しに走る必要がなくなります。テレビ視聴用のイヤホンなども、売店で扱っていることが一般的です。
何が借りられるかは病院ごとに違います。入院が決まったときに渡される案内に、取り扱いと料金が書かれていることがほとんどです。
読んでも分からないときは、遠慮なく看護師に聞いてください。こうした案内をするのも、私たちの仕事のひとつです。
100均で揃えたいもの

では、自分で用意するものは何か。答えは「病院が用意しないもの」です。
ここで挙げるものは、なくても入院はできます。ただ、あるだけで病室での過ごしやすさが変わるものばかりです。100円ショップならまとめて揃います。
ベッドまわりを整える小物
病室のスペースは限られています。手の届く範囲をどう作るかが快適さを左右します。
ベッド柵に掛けられるポーチやS字フックがあると、よく使うものを手元にまとめられます。小物ケースがあれば、引き出しの中も散らかりません。
- ベッド柵に掛けられるポーチ
- S字フック
- 仕切りのある小物ケース
持ち帰りに使う袋類
洗濯物や汚れたものを持ち帰る場面は、想像以上に多くあります。
巾着や洗濯ネット、大きめの袋があると、まとめて運べて衛生的です。小さなゴミ袋も、ベッドサイドにあると重宝します。
袋類は多めに用意しておいて困ることがありません。使い切りにできる点でも、安価なもので十分です。
時間の感覚を保つ道具
入院中は、曜日や時間の感覚があいまいになりやすくなります。
小さな置き時計に加えて、カレンダーがあると日付を確かめやすくなります。日めくりで今日を把握でき、月間のものがあれば検査や面会の予定まで見通せます。
- 数字が大きく見やすい置き時計
- 今日が分かる日めくりカレンダー
- 予定を書き込める月間カレンダー
卓上型と壁掛け型のどちらが向くかは、本人の年齢や視力、それに病室のつくりによって変わります。壁に掛けるなら、マグネットが使えるか、フックを掛けられる場所があるかを先に確認してください。貼れない材質の壁もあります。
説明を書き留める文具
医師や看護師からの説明は、その場では覚えていても後から思い出せないものです。
メモ帳とボールペンを1組置いておくだけで、聞いた内容を残せます。家族どうしの申し送りにも使えて、伝え漏れが減ります。
身だしなみを整える小物
入院が長引くと、身だしなみを整える道具が必要になります。
爪切りやヘアブラシ、保湿クリームを小分けにする容器など、普段は意識しないものほど忘れがちです。
身なりが整うと気持ちも変わります。小さなことですが、療養中の張り合いにつながります。
過ごす時間のための品
そして意外と大切なのが、時間をつぶすものです。
病室でナンプレを解いている方を見かけたことがあります。塗り絵や文庫本も、手持ちぶさたな時間を埋めてくれます。
テレビは有料の場合が多く、ずっと見ているわけにもいきません。手を動かせるものがひとつあると、一日の過ごし方が変わります。
入院前に確認したいこと

買い物に出る前に、確認しておくと無駄がなくなることがあります。
特に病院ごとのルールは事前に把握しておくべきです。持ち込んだのに使えなかった、ということが起こり得ます。
病院ごとに違うレンタルの範囲
何をどこまで借りられるかは、病院によって大きく異なります。
実際には、次のように契約の形そのものが分かれていることがあります。
- タオルだけの契約
- 日用品だけの契約
- オムツだけの契約
- いくつかをまとめた部分的なセット
- 必要なものが全部込みのセット
入院期間や状態によって、どの形が向いているかは変わります。迷ったときは、想定される入院期間を伝えて相談するのが確実です。入院案内の書面か、入院受付での説明で確認してください。
持ち込みできないもの
安全上の理由から、持ち込みが制限されるものがあります。
電気を使うもの、火を使うもの、においの強いものなどが対象になりやすい品目です。判断に迷ったら、持って行く前に病院へ問い合わせるのが確実です。
費用の目安と確認先
レンタルは日額で設定されていることが多く、入院が長引くほど積み上がります。
料金は入院案内に記載されています。金額を見たうえで、借りるか買うかを決めてください。短期なら借りる、長期なら一部を買う、という判断もあり得ます。
退院後に向けた準備

入院はゴールではなく、多くの場合は在宅に戻るまでの通過点です。
入院中こそ、退院後の暮らしを整える時間として使える期間でもあります。少し先を見ておくと、戻ってきたときに慌てずに済みます。
入院中に整えておく自宅の環境
入院前と同じ状態で戻れるとは限りません。
動きにくくなって帰ってくることを想定し、通路の物を減らす、よく使うものを手の届く高さに移すといった準備をしておくと安心です。
自宅で体の向きを支える道具については、こちらの記事でまとめています。

時間があるうちに整理しておくほうが、退院直後の慌ただしさを避けられます。
在宅ケアへの引き継ぎ
退院前には、今後の生活について相談する機会が設けられることがあります。
入院中に変わったことや、自宅で不安なことは遠慮なく伝えてください。必要に応じて、退院後に利用できるサービスの案内を受けられます。
使わなくなったものの整理
入院をきっかけに、使わなくなる道具も出てきます。
そのまま置いておくと収納を圧迫します。退院までの時間を使って整理しておくと、新しく必要になるものを迎え入れる余裕が生まれます。
収納を整える具体的な方法は、こちらの記事にまとめました。

入院準備のよくある質問

最後に、入院準備でよく挙がる疑問をまとめました。
病院ごとに違う部分もあるため、目安として押さえたうえで入院先に確認してください。
着替えは何日分必要か
レンタルを利用するなら、着替えを持参する必要はほとんどありません。
持参する場合は3日分程度を目安にし、洗濯の頻度に合わせて調整してください。
貴重品の扱い
現金や貴重品は、最小限にとどめるのが基本です。
売店で使う程度の少額だけを持ち、あとは家族が管理するほうが安心です。
洗濯物の持ち帰り方
汚れ物は袋に分けて入れ、まとめて持ち帰る形が一般的です。
持ち帰った洗濯物の負担が大きいと感じるときは、こちらの記事も参考にしてください。

付き添いの要否
付き添いが必要かどうかは、状態と病院の方針によって変わります。
面会の時間や人数に制限がある場合もあるため、入院前に確認しておくと予定が立てやすくなります。
足りなくなったときの調達
入院してから必要になるものは必ず出てきます。
院内の売店で買えるものも多く、慌てて全部を揃える必要はありません。最初は最小限で始めて、足りないものを足していくほうが無駄が出ません。
入院準備のまとめ

入院準備は、買い揃えることではなく、何を買わないかを決めることから始まります。
- 急ぎはコンビニと院内の売店
- 余裕があれば100円ショップでまとめて
- 衣類や食事の道具は病院で借りられる
- 病院ごとの範囲と料金を先に確認
- 入院中に退院後の準備も進める
必要なものが分かってしまえば、準備そのものは長くかかりません。まず入院案内に目を通し、借りられるものを確認するところから始めてください。
付き添いが続くと、ご自身のことは後回しになりがちです。短い息抜きの作り方はこちらにまとめました。

慌ただしい時期だからこそ、迷う時間を減らして、ご家族のそばにいる時間を大切にしていただければと思います。
読んでの感想や、「こんなことも書いてほしいな」と思うことがあれば、気軽に教えてください。ひとことだけでも、とてもうれしいです。お名前は書かなくて大丈夫です。


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