【そこにいてくれるだけで】支えてもらった側が感じていたこと|家族にできること

テーブルに並んだ、湯気の立つ2つのマグカップのイラスト 介護する人のケア
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家族を支えていると、「何をしてあげればいいのだろう」「何と声をかければいいのだろう」と悩むことがあります。

私は看護師ですが、支えてもらう側だった時期があります。そのときに感じていたことを、支えている方に向けて書いてみます。

こんな思いはありませんか
  • そばにいるのに、何もしてあげられない気がする
  • どんな言葉をかければいいのか、分からない
  • 自分の言葉や態度で、傷つけてしまっていないか気になる
  • 仕事が忙しくて最低限のことしかできていない。相手はどう思っているのだろう
ご家族
ご家族

仕事が忙しくて、最低限のことしかしてやれていなくて。どう思っているんだろう、と気になります。

看護師
看護師

私が支えてもらっていたとき、家族も仕事をしていました。それでも、気にかけてくれていることは伝わっていましたよ。そのときのことを、お話ししますね。

私の場合は、年を重ねての介護とは事情が違います。それでも、支えてもらう側の気持ちには、重なる所があるかもしれません。一人の経験として、読んでもらえたらうれしいです。

家族に支えてもらった時期のこと

クッションとひざ掛けのあるソファのイラスト。家族に支えてもらった時期のことを書いたセクションのバナー画像

私には、体調をくずして、家族に支えてもらった時期があります。

くわしい事情は書きませんが、それまで当たり前にしていたことが、できなくなった時期でした。

当たり前にしていたことができなくなった日々

動けない日が続きました。

仕事に行くこと、家事をすること。それまで何も考えずにしていたことが、まったくできなくなりました。

何もできないという思い

家族は、それぞれ仕事をして、家のこともしていました。

そのそばで、私は動けずにいました。「自分には何もできない」「迷惑ばかりかけている」。そう思って、ひどく落ちこみました。

年を重ねての介護との違いと重なる所

私の経験は、年を重ねて介護を受ける方の経験と、同じではありません。

それでも、できていたことができなくなること、家族の世話になること。そこで生まれる気持ちには、重なる所があるかもしれないと思っています。みんながそうだ、とは言えません。一つの例として読んでください。

支えてもらってありがたかったこと

支えてもらってありがたかったことを書いたセクションのバナー画像

ふり返ってみると、ありがたかったことは、いくつもありました。

私のために考えてしてくれた特別なこと。そして、変わらない毎日の中に、自分の居場所があったことです。

考えてしてくれた特別なこと

これをしたら喜んでくれるだろうか。少しは元気になってくれるだろうか。

そう考えてしてくれたことは、もちろん、うれしかったです。何をしてもらったかだけでなく、考えてくれたこと自体が、うれしかったのだと思います。

変わらずそこにいてくれたこと

家族は、変わらずそこにいてくれました。

それだけのことです。けれど、変わらずそこにいてくれることが、ありがたかったのです。

気にかけてくれていると伝わったこと

家族が気にかけてくれていることは、伝わってきました。

気にかけていることは、相手に伝わっている。支えている方に、まずそれを知ってほしいと思います。

毎日の挨拶

家族は、挨拶をしてくれました。

「おはよう」「おやすみ」。何もできない日にも、変わらずかけてもらえたことが、ありがたかったです。

何もできなくてもそこにいていいという感覚

仕事ができなくても、家事ができなくても、そこにいていい。

家族は、そう感じさせてくれました。動けない日々の中でも、幸せだと感じられました。

持ちつ持たれつの小さなやりとり

もう一つ、助けられたことがあります。持ちつ持たれつの関係でいられたことです。

仕事や家のことはできなくても、携帯電話の使い方を教えてあげると、喜んでもらえました。家に自分しかいないときに雨が降ってきて、洗濯物を取りこんだら、「ありがとう」と言ってもらえました。

自分にも、返せることがある。それを、はっきりと感じられた出来事でした。

支えてもらった側から

「迷惑ばかりかけている」という気持ちは、今も完全に消えたわけではありません。

それでも、自分にも価値があると感じられるようになって、少し前向きになれました。

口に出せなかった気持ち

口に出せなかった気持ちについて書いたセクションのバナー画像

支えてもらっていた間、家族の言葉でつらい思いをしたことは、ありませんでした。

それでも、ひとりで胸がきゅっとなることはありました。支えている方を責めたいのではありません。こういうことがあるかもしれない、という話です。

ふつうの毎日が映すもの

家族が、いつもどおりに暮らしている。とくに、仕事に出かけていく。それは、私もそれまで当たり前にしていたことでした。その姿を見ると、今の自分にはそれがとてもむずかしいのだと、認めざるをえませんでした。

とくに仕事が気になったのは、働きざかりの年ごろだったからだと思います。働いていて当然だと自分でも思っていましたし、世の中からそう見られることも多いからです。

家族は、何もまちがえていません。ただ、いつもどおりに暮らしていただけです。

家族が家にいる日の気の楽さ

家族の仕事が休みの日は、なんとなく気が楽でした。

私は、人と違う時間の過ごし方をしていることに、どこか後ろめたさを感じていました。家族が休みの日には、時間の流れが、いっしょに感じられた。だから、気が楽だったのだと思います。

言えなかった「ごめん」

「元気な姿を見せられなくて、ごめん」。そう思っていました。

けれど、口に出したら、相手を悲しませてしまうかもしれない。そう思って、言えませんでした。

支えてもらった側から

相手が、つらそうにしていることがあるかもしれません。すっきりしない表情の日が、あるかもしれません。

それは、あなたが何かをまちがえたから、とはかぎりません。だれも悪くない場合もある。そのことを、知っておいてほしいのです。

時に、ふつうの毎日が、できなくなった自分を映してしまうことがあります。それは、支える人のせいではありません。

支えている人にできること

支えている人にできることをまとめたセクションのバナー画像

ここまで書いてきたことを、支えている方の側から、まとめ直してみます。

私の経験からお伝えできるのは、いつもどおりでいいということです。

挨拶と短いひとこと

何と声をかければいいか分からないときは、挨拶だけで十分です。

「おはよう」「行ってきます」「ただいま」。言葉が見つからない日も、挨拶ならかけられます。

話を聞かせてもらうこと

相手のこれまでのことを、聞かせてもらう。それも、いっしょにできることの一つです。

私は、支えてもらっていた時期に、家族からたくさんの話を聞きました。家計のやりくりや、買い物、献立の工夫。子育てをしていたころに感じていたこと。私が忘れていた、子どものころの出来事。知らなかった思いを、知ることができました。

体が思うように動かなくても、話すことや、教えることなら、できる場合があります。無理に聞き出さず、相手が話したいときに、耳をかたむけてみてください。

食べたいものを聞いてみること

私は、献立を決めるのが苦手です。

だから、「あれが食べたい」と言ってもらえると、一つ助けてもらったような気持ちになります。

「何が食べたい?」と聞いてみる。答えてもらえたら、それは、相手があなたを助けてくれた、ということでもあります。食べたいものが思いうかばない日もあるので、答えがなくても、気にしなくて大丈夫です。

支える人も楽しんでいいこと

支えている方も、楽しんでいいのです。

私は、家族の笑顔が見られると、うれしかったです。自分のために、家族が楽しみをがまんしている。そう感じるほうが、つらかったと思います。

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支える人が気持ちを話せる場所

支える側にも、気持ちを吐き出す場が必要なときがあります。

家族や友人には話しにくいことも、あると思います。そんなときは、カウンセリングを使うことも、考えてみてください。最近は、オンラインで受けられるものもあります。

何でもない時間を一緒に過ごすこと

同じ部屋にいる。同じ家の中にいる。

何かをしてあげようとしなくても、いっしょにいる何でもない時間が、ほっとする時間になることがあります。何かしてあげたいと思ったときには、こんな方法もあります。

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支える人のよくある質問

支える人のよくある質問をまとめたセクションのバナー画像

支えている方が迷いやすいことを、私の経験から考えてみました。

人によって、感じ方は違います。答えではなく、一つの見方として読んでください。

はげましたほうがいいのか

私の場合は、はげましの言葉よりも、変わらずそこにいてくれることに支えられました。何と言えばいいか迷うときは、無理に言葉を探さなくてもいいのだと思います。

そっとしておいたほうがいいのか

そっとしておくことと、気にかけていないことは、違います。挨拶や、短いひとことがあるだけで、気にかけてもらっていると伝わります。

仕事が忙しくて最低限のことしかできないとき

私の家族も、仕事をしながら支えてくれていました。それでも、気にかけてくれていることは、伝わっていました。してあげられることの多さではなく、気にかけていること自体が、届いているのだと思います。

自分だけ楽しんでいいのか迷うとき

楽しんでください。支えている方が笑っていることは、相手にとっても、うれしいことかもしれません。私は、そうでした。

相手があやまってばかりいるとき

相手は、申し訳なさを抱えているのかもしれません。私が支えられたのは、何もできなくても、そこにいていいと感じさせてもらえたことでした。言葉でなくても、いつもどおりに接することで、伝わるものがあると思います。

相手のつらそうな様子が続くとき

眠れない、食べられない、ひどく落ちこんだ様子が続くときは、家族だけで抱えず、主治医に相談してください。支えているあなた自身がつらいときも、同じです。

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支えてもらった側が感じていたことのまとめ

支えてもらった側が感じていたことのまとめを示すセクションのバナー画像

支えてもらった側だった私から、支えている方へ。

この記事の振り返り
  • 考えてしてくれた特別なことは、もちろんうれしかった
  • 同じくらい、変わらずそこにいてくれること、毎日の挨拶がありがたかった
  • 何もできなくても、そこにいていいという感覚
  • だれも悪くなくても、口に出せない気持ちがある
  • 相手がつらそうに見える日があっても、だれも悪くない場合もある
  • 相手のこれまでの話を、聞かせてもらう
  • 支える人も、楽しんでいい。気持ちを話せる場所を持っていい

何かをしてあげられなくても、大丈夫です。あなたがそこにいることは、もう伝わっています。

明日の朝、いつもどおりに「おはよう」と声をかけてみてください。

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